成長ホルモンありません

2019年4月に成人成長ホルモン不全症(重症型)と診断されました。治療記録と日々のあれこれを綴っていきます。同じ病気で治療をされている方と情報交換もしたいです。Twitterもはじめてみました☆

原因は、ある

 何かが起こっていれば、起こっている原因は絶対にある。

病気もね。

自分の場合だと「成長ホルモン不足」に辿り着くまでの道のりが長かった。
だって、表に出ている症状を分解してみていれば
誰だってよくあることじゃないですか。
ただ、自分の場合はその「よくあること」のレベルが違ってた。

例えば「疲れ」
疲れって他人と比較することは難しいじゃないですか。
だから気づきにくい。

自分が疲れのピークだったころ
毎朝が覚めても身体が強張って動けない。
そして寒い。
朝から湯船であったまる。それでも寒い。
朝食を食べる。でも寒い。
だから出来るだけ多めに食べようとする。胃もたれしてくる。
身体が思うように動かない。
出勤しなきゃいけないので、着替えてホッカイロをお腹に貼って家を出る。
身体が上手く動かせない。足元が微妙にふらふらする。
全身疲労たっぷりで、歩きながらでも眠れるくらい。
眠いから仕事前にコーヒーを飲む。

…以下略

でも、働いている皆さんってこんなもんだと思ってました。
うちの職場はブラック気味だしね。

成長ホルモン投与が始まった現在は
朝、目覚めすっきり。
前日の疲れが残っていない。
身体が暖かい。すんなり起き上がれる。
お風呂不要。
軽く朝食を食べれば、全身が温かくなる。
丁度いいコンディションで出勤出来る。
コーヒー不要。

…以下略

この違いだけでも、以前の自分が異常だったとわかります。

とはいえ前述の不調は
・寝不足
・食べすぎ
・栄養バランスの問題
冷え性
・コーヒーに依存しすぎ
・鬱かもしれない
…など1つ1つ切り取ればそれぞれに問題が見えてきて
それぞれの原因に対しての対策を講じることができます。

私の場合は全ては「成長ホルモン不足」に由来する不調だったので
何をやっても効果が出なかったのです。

他には風邪をひくとこじれる傾向がありました。
肺炎になっちゃったことも。
しかも治りにくい。
なので、免疫力をアップさせねば!と対策を講じても…(以下同文)

内科に行っても
内分泌科に行って
さらに甲状腺専門のところに行っても
漢方に頼ってもどうにもなりませんでした。
メンタルクリニックにも行ったことがありました。
そこで抗不安剤やSSRIなどを処方されましたが  
1回飲んで効き方にびっくりして薬を全部捨てちゃいました。
読書好き&謎解き大好きな私としては、思考がぼんやりする薬は恐怖の対象。
これは絶対に違う!と思って通院も止めました。
メンタル系の病院って簡単な問診だけで大量に強めな薬出すんですね…(超怖かった
行った病院がたまたまそういう系統だったのかもですが。

病院でなかなか治らないなら
アロマ?食事療法?自然療法?サプリ?などなど勧められました。
頭ごなしに否定はできないので、全部一度は試してみました。
もちろん良くはなりません。

どこかに必ず、絶対に原因があるはず!
と病院を探して可能な限り受診しまくりました。
そして、ようやく今年4月に重症型成長ホルモン分泌不全が判明したのです。
もし自分が最初の診断で納得してしまっていたら
途中でその診断を受け入れてしまったら…
難病だったことに気付くことはなく見当違いの治療を受け続け、悪化の一途をたどっていたと思います。
実際、状態は悪化し続けていました。

通っていた甲状腺専門の病院では血液検査をして
「ホルモンの数値がおかしいけどこれは腫瘍のせいです。そんなもんですよ」
と10年近く経過観察のみでしたから。
体調が悪くなっていく説明を求めても、いつも同じ。
腫瘍は良性だし、甲状腺が圧迫の影響を受けているから。
あとは年齢のせいじゃないですか(更年期)的な内容。
最後の賭けの気持ちで名のある大学病院の内分泌科を受診しました。
(そこでも同じ回答ならそれで納得するしかない、という気持ちで)
甲状腺ではなく下垂体由来のホルモンに異常がある。
 甲状腺の腫瘍は関係ありません」
と、ここで初めて指摘されました。

大学病院受診に際して紹介状をもらえなくたって
可能性があるなら自力で行くべし!と私は思うのです。
(紹介状なければ3,000円ほど払えば診てくれます)
前の病院のデータがないならそこで検査すればいい。
お金も手間もかかるけど、やってみる価値はあるかもしれない。
と悪あがきを続けた結果、道が開けました。

病気を見つけて治療をして下さるのは医師ですが
患者側も、自分の病気を正確に診断できる医師を探す努力が必要だと思います。

何かがあれば絶対に原因はある。

私の病気は判明して対処方法はわかったけど原因は不明のまま。
完治はしません。対処療法のみ。
これから生涯毎日成長ホルモンを注射しつづけなくちゃなりません。
でも、前述の不調は全て解消します。
原因がわかればそれに対処する手段を講じればいいのです。
原因にヒットする薬は驚くほど効果がありますから。
今まで試したあれこれがバカみたいだと思えるくらいに。
薬は悪くない。
間違った薬の使い方をするのが悪いんだと思います。
前述のメンタルクリニックで大量に処方された安定剤やSSRIみたいにね。
あれを自分が飲み続けていたら…と思うとぞっとしますもん。
逆に私にとってプラスの効果があり必要な成長ホルモン投与は、必要のない人に処方すると良くないことが起きます。
それらと同じです。
必要としている患者に、必要な薬が処方されることが重要だと思います。

15年以上かけて私は真実にたどり着けました。
見方を変えれば推理小説で真犯人を探すようなものです。
ホームズだって、ワトソンがいるからこその名探偵なわけですから。
体調不良の患者がホームズ探偵になって
最高の相棒ワトソン医師を見つければいいのです。
そうすれば様々なトリックや謎(症状の原因)を解き明かし
真犯人(病気)がわかって事件解決!(正しい診断)となるのでは。
そうなって初めて病気に有効な治療が受けられる。
だから有効な治療は積極的に受ける。
患者は主体的に病院に通って治療を受け、医師や病院に協力することが大切なんだと思っています。

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